静岡障害者自立生活センターは、障害をもつ人の地域における自立や権利を守るためのさまざまな活動を展開しております。障害当事者自身がサービスを提供する主体となり、自らがロールモデルとなって、自立生活プログラム(ILP)やピアカウンセリングといった手法を使い、自立を目指す障害者のエンパワメントをお手伝いいたします。
私たちの想い
「どんな重度な障害を持っていても、地域であたり前に暮らしたい…」 ひまわり事業団は、そんな願いのもとに、障害者を持つ当事者自身が中心となって静岡の地に設立されました。 誰もが共に学び、共に働き、共にいきることのできる社会…静岡をそんな素敵な街にしていく事が、私たちの活動の目的です。自立生活センター(CIL)とは…
施設や親の保護の元、限られた人間関係の中で長い間、生活をしてきた障害者が、地域で自立生活を始めるためには、さまざまなサポートが必要です。そうしたサポートを、同じ経験や知識を持つ障害者自身が提供していくのが自立生活センターです。
自立生活センターは、運営委員の過半数と実施責任者が障害者であること、障害種別をこえてサービスを提供することが基本です。自立生活センターは、1970年代にアメリカで起こった障害者の自立生活運動の拠点として、カリフォルニア州バークレーに設立されました。日本でも1990年代に伝わり、現在すでに全国120か所以上に広がっています。
主な活動
- 自立生活プログラム(ILP)
- ピアカウンセリング
- 相談事業、権利擁護活動、情報提供
自立生活プログラム(ILP)とは
自立生活プログラム(ILP)とは、自立生活を希望する障害者が、自立生活に必要な心構えや技術を学ぶ場です。様々な経験・体験を通して「自己選択」「自己決定」することを身につけ、結果に対する「自己責任」を負える心構えを育てていきます。障害者と健常者が共に生きる場をつくるために、まず「障害者自身が力をつけていく場」です。
施設や在宅の閉鎖的な場所で暮らしてきた障害者が社会の中で自立生活をしていく時に、先輩の障害者から生活技能を学ぶためにつくられた、障害者文化の伝達の場ともいえるものです。生活技能とは、対人関係のつくり方、介助者との接し方、住宅、性について、健康管理、トラブルの処理方法、金銭管理、調理、危機管理、社会資源の使い方、などです
各プログラムの内容は対象者の目標によって決めます。「介助者との関係」や「制度を使いこなす」、「指示を出して好きな料理をつくる」、「金銭管理」、「フィールドトリップ(外出プログラム)」など、自立生活に必要なあらゆることがプログラムとして提供されます。
プログラムの形態は、個人プログラム、グループプログラムの2種類があります。また、3~5回程度の短期プログラムと6~10回で2ヶ月~3ヶ月程度かかる長期プログラムとがあります。参加対象者の生活経験や年齢、障害の種類などを考慮してさまざまな内容のものが企画されています。
ILPのリーダーは障害をもつ当事者が担当しますので、安心して相談、質問ができます
ピアカウンセリングとは
ピアカウンセリングは1970年代初め、アメリカで始まった自立生活運動の中でスタートしました。自立生活運動は、障害を持つ当事者自身が自己決定権や自己選択権を育てあい、支えあって、隔離されることなく、平等に社会参加していくことを目指しています。ピア・カウンセリングとは、自立生活運動における仲間(ピア)への基本姿勢のようなものです。
ピアカウンセリングでは、お互いに平等な立場で話を聞き合い、きめ細かなサポートによって、地域での自立生活を実現する手助けをします。
ピアカウンセリングの役割には、大きくわけると2つの側面があります。
- 精神的サポート 「ありのままのあなたでいいよ」というメッセージ。お互いを尊重しあう。
- 自己信頼を回復するためのサポート
- 権利擁護、意識確立のサポート
- 施設や親元から独立するためのサポート
- 性やセクシャリティについての悩みに対するサポート
- その他対人関係等、自立生活全般に必要な精神的サポート
- 自立のための情報提供
- 住宅探し、情報提供と改造等の相談
- 所得保障に関する相談、情報提供
- 仕事、職業に関する相談、情報提供
- 介助に関するさまざまな情報提供
- 余暇・旅行・レジャー情報提供
- その他、自立生活に関する全般的情報提供および相談
以上のような相談に応じる障害者を、ピア・カウンセラーと呼んでいます。JILが提唱するピア・カウンセラーは、単なるアドバイザーではありません。当事者のことをもっともよく理解しているのは、その人自身であるという人間信頼、自己信頼にのっとった立場に立ちます。平等に、対等に、力と時間をつかい、自立生活の実現のサポートをします。