障害者生活支援センターおのころ島の紹介
私(奥村)が、このたび、おのころ島の理事に就任することになり、さる6月2日に藤枝市にある事務所で開催された総会に行ってきました。
これを機会に、おのころ島について少しご紹介させていただきます。
おのころ島は、正式名称をNPO法人障害者生活支援センターおのころ島といい、県内に6ヶ所ほどある、JIL(全国自立生活センター協議会)加盟のCIL(障害者自立生活センター)のひとつでもあります。
代表の井出一史(ひとし)氏は、当団体(静岡障害者自立生活センター)の故・渡辺正直とともに、静岡の自立生活運動のいわば草分け的存在。
1970年代後半から今にいたるまで、地元藤枝市のみならず、県内の障害者運動を力強くけん引してきました(かつては静岡県CIL連絡協議会の代表を長らく務めました)。
そんな井出さんは、実は、当法人の監事のひとりでもあります。
事業規模が大きくなり、設立当初の理念をともすれば忘れてしまいがちになる当法人に対して、いつも「当事者主体という原点を忘れちゃダメだよ…」と厳しいアドバイスをくれる、とても貴重な存在なのです。
それにしても、「おのころ島」というのは、とても変わったネーミングですよね。
井出さんに、団体名の由来を聞いてみました。
オノコロ島とは、あの国生み神話の中で、イザナギノミコトとイザナミノミコトが、矛を海に突き刺してグルグルとかき回し、引き上げた矛先から潮が滴り落ちて出来た、日本で最初の島のこと。
その最初に出来た島で、イザナギとイザナミが最初に生んだ子が蛭子(ヒルコ)なんですが、このヒルコ、身体が不自由で、成長しても足が立たなかった(つまり障害者)とのことです。
後に、このヒルコは葦舟に乗せられ海に流されてしまい、流れ着いた先で恵比寿様となって人々の信仰を集めたらしいのですが、それはさておいて、井出さんたちは、このオノコロ島を団体名とすることで、「藤枝と言う地域に根差したCILのさきがけとなりたい…」という思いを込めたようです。
そんな井出さんたちの思いどおり、おのころ島の人たちは今ではすっかり地域社会に溶け込んでいるように見えました。
今後の、おのころ島のますますの発展を心から願うばかりです。
文責:奥村譲