静岡でのインクルーシブ防災活動の取組みと大阪からの視察団
皆さん、「インクルーシブ防災」という言葉を聞いたことがありますか?
インクルーシブ社会、インクルーシブ教育…最近、あちらこちらでこのインクルーシブ(包括的な)という言葉を目にしますが、「インクルーシブ防災」とは簡単に言うと、障害者や高齢者を含む、あらゆる人を取り残さない防災という考え方です。
災害時に、取り残されて被害を受けやすいのが、障害者や高齢者、小さなお子さん、妊産婦そして正しい情報が行き届かない外国人の方などです。
実際、東日本大震災では、障害者の死亡率が全体の死亡率の約2倍に上ったというデータもあるぐらいです。
静岡においては、当団体もメンバーになっている「西豊田学区地域支え合い実行委員会」がこのインクルーシブ防災に活発に取組んでおりますが、こうした私たちの活動に関心を持たれた大阪からの視察団が、さる10月17日(月)に来静し、静岡のメンバーとの間で活発な議論が交わされました。
視察団のメンバーは以下のとおり。
石塚裕子氏:大阪大学 講師
渥美公秀氏:大阪大学大学院人間科学研究科 教授
八幡 隆氏:NPO法人ゆめ風基金 理事・事務局長
水谷 真氏:社会福祉法人AJU自立の家わだちコンピュータハウス
一方、静岡側からは、西豊田学区地域支え合い実行委員会の主要メンバーである、牧野善浴氏(今回の仲介役、当団体理事)、江原勝幸氏(県立短期大学准教授)、山田勝久氏、青山文代氏、岡村智樹氏に加え、小久江理事長ほか当団体の職員数名が参加しました。
当日は、最初に、大阪側から視察の主旨説明があった後、静岡側からこれまでの防災活動の取組みについて映像を交えて説明があり、最後に今後の課題について活発な意見交換がなされました。
ところで、町内会、学校関係、社協に加え、障害当事者…さまざまな人が関わる静岡西豊田地区の防災訓練は、全国的にも珍しく注目を浴びているとのこと。
私たち静岡障害者自立生活センター(ひまわり事業団)も、災害時の避難ルートや避難所の課題に、障害者の視点から取組み、これからも「災害時に誰一人として取り残さない」社会を目指して、さらに活動を強化していきたいと思います。